ボディメイクをはじめたとき、またボディメイクについて調べはじめたとき、他人のカラダのことが気になります。この人はどういう手法を取り入れているのだろうか、この人のこの部位の形がいいなと思っているうちに、段々と自分のパーツとの違いが気になることがあります。知識を学ぼうと調べはじめたことが自分と比べはじめたらちょっと注意。ボディメイクにストレスは大敵です。他人のカラダと自分のカラダはどう向き合っていけばいいか考えてみましょう。

他人のことが気になるのも向上心ゆえ

他人のことが気になるのは自然なことです。それが陽の気質であれば尊敬であり、陰の気質であれば自責にもなりますが、それらもすべて自分のなかに現在の自分よりも高いイメージの自分を理想として持っているからです。より高い自分のイメージがないとき、人はそこに執着することはなく、つまり向上心だということです。素晴らしい心理構造なので、その志はとても大切にしたいところです。

また、より高いイメージの自分がそこにあるということは、自分が理想に到達出来ることを一部信じており、そしてより深く信じたいと思っているということです。それもまた素晴らしい心理ですが、成長には過程(プロセス)が必要であり、過程のなかでは常に理想に届きたい自分と、未達な自分が同居し小さく葛藤しています。努力に対して心がバランスをとっていますが、未達な自分はしばしば許しがたい対象となりやすく、内的拮抗状態でグラグラとバランスをとっていても、外的な要因には少し弱いところがあります。それは誰しも同じ構造にあり、内的葛藤でバランスを取っているところを外からポンと押されると弱いのは自然なことなのです。ですが、押されると分かっていれば、私達は耐える準備をすることが出来るので、いくばくか衝撃も和らぎます。

ここで言う外的な要因というのは、正しく自分よりもスタイルのいい同年代の存在です。テレビを見れば、雑誌をめくれば、街を歩けば自分よりもスタイルの仕上がりの良い人は必ず存在します。たとえそれがトップモデルであっても、トップモデルよりも美しい素人(プロでないの意)も同じように存在するので、自分より上がいることはどこかで一度深く考えて、ある程度納得しておきましょう。これはボディメイクに限る話ではありませんが、そういうものです。不意に訪れたときの心の揺らぎも美しい心理構造の範疇で保つことが出来るかもしれません。重ねてお伝えしますが、それらもすべて向上心ゆえなのです。誇るべき心理です、胸を張りましょう。

繰り出される感情の質を制御する必要はない

先の話で少し触れましたが、自分の望む状態に対して、現実にズレが生じたとき、心理的乖離(かいり)状態といいます。理想に対する現実のズレは生きる上で常なので、私達は日々その想いを感じていますが、心理的乖離になったとき、どのような感情が反射的に繰り出されるかは、人それぞれで先天的な要因も大きく、繰り出される感情をどうこうしようとするのは難しいもので、特にボディメイクにおいては拘らない方が気楽に進めます。

どういうことかと言うと、例えば自分よりもスタイルの良い同世代の人が目の前にいたとき、心の方向性(ベクトル)が相手に向き(外向き)で、気質が陽(ポジティブ)であれば、相手を尊敬します。心理学の世界では、これを外向きの陽転としばしば表現します。大きく分けると4パターンで、心の方向性が自分に向き(内向き)で、気質が陽(ポジティブ)であれば、「私も頑張っている」「私が頑張っているから見つけられた」等と感じます。心の方向性が相手に向き(外向き)で、気質が陰の場合は嫉妬です。「なんであの人だけ」「あの人はずるい」と感じます。心の方向性が自分に向き(内向き)で気質が陰であれば、「私はダメな存在なんだ」「私はここが出来ていない」と感じます。細かく分けば「私にも別のいいところがある」や「私は他にも出来ていないことがあった」等とベクトル違いの斜転もありますが、大別すると4種の感情反応があり、心理的乖離の幅が大きいほどに、反射感情も色濃くなります。

風潮として「ポジティブシンキングをしよう」「ポジティブが大事」と陽転を推奨されることが世論では多いものですが、陰であれど悔しさをバネに成果を出すスポーツ選手も多くいますし、陰陽どちらとも成長することは可能です。また、反応として陰が出てしまったものを無理に陽転させようとするのも、それはそれでストレスがあるものです。世の成功者を見れば、歴史上の偉人を見れば、性格は千差万別であり、内外陰陽すべての領域で成功している人はいるので、気質が成長や成功を隔てているわけではないと知っておけば心持ちも軽くいられそうです。あなたの気質はあなたのままでいいのです。その上で努力を重ねれば良いだけなのだから。

これは個人的な雑議なのですが、どうぶつ占いが草食動物の人は乖離に対する感情反射は、内向きで繰り出されやすく、どうぶつ占いが肉食動物の人は乖離に対する感情反射に、外向きが繰り出されやすいというのが個人的経験則です。陰陽どちらの気質を含むかは後天的な影響も大きく、星座のエレメントや太陽と月との相性など様々な塩梅によって変わったり、女性であれば周期によっても反射の優先は変化するので、人を見て、自分を見て、その時々で判断という感覚ではいます。話の内容や相手の反応が「斜転」したときだけは注意が必要で、触れられたくない話がある可能性があるので、話の階層を表層にあげて(天気や趣味など)差し障りないようにすると、相手が大切にしている心理ラインを不用意に超えない配慮が出来ます。本当に余談になりました。

他人の成果はどの程度参考にするべきか

他人の成功や成果はどの程度参考にするべきでしょうか。落としどころは人それぞれで答えのない問いではありますが、個人的なオススメとして、「あなたがあなたらしくいられる範疇で参考にする」ことをオススメします。例えば友人が、「◎◎の方法でダイエット出来た!」などとして成果が出たとします。つい同じ方法を真似したくもなるものですが、ご友人とは体組成が違い、骨格が違い、血液型が違うかもしれませんので、食べた食物に対する身体の反応や、運動に対する筋肉の使われ方が違う可能性は高いでしょう。ですので、同じプロセスで成果が出るかもしれないが、成果が出ない可能性もあります。この「他人軸で判断する」が何度も成されると、何によって自分の身体がどう反応しているのか分からないままになるので、成功に対する経験が蓄積しにくいものです。減量や健康の業界ではその現象も少なくなく、ダイエットジプシー、健康ジプシーなどど揶揄されています。ですので、それが「参考にすれど最終的に自分でも考える」であれば反応を細かく検証していていくことが出来るので、繰り返すうち自分にとってベストな方法が見つかりそうです。

私達は成功を急ぐあまりに、成果を出した人を見ると同じ方法を真似ることで同じ結果を享受したいと考える(頼りたくなる部分がある)ものですが、人と自分はこれまで違う生き方をして来たのだと思い出すと、自分の成長と成功の方法は、最終的に自分の経験から培っていくことが重要であると分かります。あなたの人生の先端はあなた自身なのです。

まとめ

他人のことが気になるのは向上心があるから

理想を求める自分の志は誇れること

繰り出される感情を制御する必要はない

他人の成功は称賛すれど頼りすぎない