本能は生まれつきのものです。一方、習慣は自分で身につけたものです。習慣は私たちに大きな影響与えます。ありとあらゆる行動はもちろん、自分自身の在り方も習慣で決まってくるからです。今回は習慣について知り、健康を害する習慣を変える方法をお伝えします。

習慣が健康をつくる

健康は習慣によってつくられます。もちろん、生まれついた体はそれぞれ違います。背の高い人や低い人、心臓の強い人や弱い人。しかし、誰にでも病気にかかる可能性があります。不健康な食生活をしていれば、病気にかかりやすくなります。今ある体を最大限に活用し、なるべく健康に生きるために、良い習慣を身に付けことが必要なのです。

習慣とは何か

習慣がどのように生まれるのかは知っていますか?習慣とは、脳に刷り込まれた行動です。自動化されているので、いちいち考えなくても無意識に体が動きます。それによって脳のエネルギーを節約し、もっと大事なことに頭を使うことができるのです。ただし、習慣は悪い方向にも働きます。例えば仕事の帰りに、毎日アイスクリームを食べる習慣。「一日頑張ったご褒美」として、ついつい買ってしまいます。「私はアイスクリームが大好きだから」と思っているかもしれませんが、実はただの習慣かもしれません。ご褒美としてアイスクリームを食べ続けるうちに「頑張った=アイスクリーム」という思考回路が出来上がってしまったのです。

習慣は脳にとってごく自然なことですから、自分の意思で決めていないということにすら、私たちは気づきません。しかし、これまでよりも健康になりたいなら、身に付いた習慣を疑ってみる必要があります。自分が何をしているのか、そしてその行動が自分にどんな影響及ぼしているのかを認識し、その選択の結果に満足しているかどうか自分自身に問い掛けてみてください。その習慣に気づくことができたなら、その習慣を変える事は可能です。そのためには習慣を自分の責任として受け止める必要があります。

習慣の3つのサイクル

習慣は3つの要素でできています。「きっかけ」「行動」「報酬」の3つです。
テレビCMを見てお菓子が食べたくなる場合、テレビCMが習慣の「きっかけ」です。そのきっかけがお菓子を食べるという「行動」を引き起こし、おいしいという「報酬」につながります。この3つがセットになって、脳に刷り込まれているのです。先程のアイスクリームを例にすると、以下のようになります。

きっかけ:「頑張った」という開放感と仕事の疲れ。甘いものが欲しくなる。
行動:アイスクリームを買って食べる。
報酬:美味しくてほっとする。シロップの甘さと乳製品で疲れが和らぐ気がする。

これを何度か繰り返しているうちに、「頑張ったと感じる→アイスクリームを買う→ほっとする」というサイクルが脳に組み込まれます。そして条件反射のように、仕事帰りにはアイスクリームが欲しくなります。

「行動」をかえて「報酬」を得る

ダイエットのために「アイスクリームをやめるぞ」と決意するとします。しかし、ただアイスクリームを我慢するだけでは、続かないことが多いでしょう。そこで、「報酬」である「ほっとする」を、別の「行動」で得ることが出来ないか考えてみましょう。例えば、果物や添加物・白砂糖の少ないチョコレート、ハーブティーなど他の食べ物に置き換えたり、好きな香りの入浴剤を入れてゆっくりとお湯に浸かるなど、別の行動でも気持ちを和らげることは可能です。すると、ただアイスクリームを我慢するよりもストレスが少ない状態で、アイスクリームをやめることができます。

習慣についての心構え

「習慣を変えることは難しい」と思っていると、行動することが億劫になり、何も変わりません。「習慣は自分の意志次第で変えられる」という事を認識しましょう。

①習慣はいつの間にかできている

アイスクリームや職場でのお菓子、食事中のビールなどは、いつの間にか習慣になっているものです。その選択をしていること自体無意識で、その選択がどんな影響与えるかを意識していないことが多いです。

②習慣は変えられる

習慣となっている行動でも、行動自体を認識し、自分でそれをしないと決めて、別の行動に変える事は可能です。

③習慣はつくれる

自分で新しい習慣を作ることも可能です。始めは努力が必要ですが、やがて習慣が脳に組み込まれ、無意識にできるようになります。

まとめ

悪い習慣から出したい人は、無意識に行っていることを認識し、それを良い行動に意識的に変えましょう。また、同じ「報酬」を得られる別の「行動」を選択しても改善しない場合、「きっかけ」となる疲れや精神的なストレスを見直す必要があるかもしれません。