「早食いは肥満の元」という言葉を耳にしたことがありますか?ダイエットを繰り返す方は、食事時間が短い傾向にあります。今回はゆっくりと食べる効果を説明します。

満腹感をもたらす3つのルート

ゆっくり食べることがダイエットにおいて大切な理由。それは、満腹感が関係しています。私たちの満腹感はおもに次の示した3つのルートによって視床下部の満腹中枢からもたらされます。

  1. 血糖値の上昇
  2. 胃壁の拡張
  3. 脂肪細胞から分泌されるレプチンの量

中でも「1.血糖値の上昇」が満腹感をもたらすおもな要因です。

満腹感を感じるプロセス

私たちが食べた栄養分は血液とともに血管を通してそれぞれの細胞に運ばれます。そして、その血液中の糖分の値を血糖値といいます。血糖値は食べ始めてから約4分で上昇し始め、約7分で最高値を示し30分以上維持すると言われています。つまり、満腹感を感じ始めるまでの7分間をいかにゆっくりと食べるかが食べ過ぎには有効なのです。

少量で満足するコース料理の工夫

身体の仕組みを配慮し、満足感を引き出している良い例として、フレンチのフルコースがあります。例えば、同じパンを食べるのでも食パンとフランスパンでは、噛みごたえのあるフランスパンの方が食べるのに時間を要するので、少量で満腹感を味わうことができるのです。また、フルコースの料理を食べに行くと、料理は少量ずつ時間をおいて甘いデザートは必ず最後に出てきます。これは、血糖値の上昇しにくい前菜やメインディッシュで客においしいと感じさせて、最後に血糖値の上がりやすいケーキなどの甘味を食べてもらうことによって血糖値を一気に上昇させ、満足感と満腹感を感じてもらうといったお店の「作戦」なのです。

まとめ

ゆっくり食事をすることは血糖値の上昇を抑えだけでなく、消化吸収にとっても良い他、食事中に会話する機会も増え、家族団欒の場にもなるので、いいことずくめです。