脂肪燃焼の即効性が期待できる有酸素運動は、20分以上行うことで体脂肪の燃焼の割合が高くなると言われています。とはいえ、「長時間の運動は厳しい」という方もいるかと思います。今回は脂肪燃焼に効果的な強度・時間と「中休み」を入れる効果について説明します。

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体脂肪を減らすには運動20分以上

ダイエットを成功させるには、ウエートトレーニングと有酸素運動をバランスよく続けることが大切です。そして、ダイエット本や健康系のテレビ番組などで伝えられているように、体脂肪を落とすことに直接働きかけるのは、有酸素運動です。運動生理学では、「運動によって体脂肪を落とすには低〜中強度のエアロビック運動を長時間行う必要がある」といわれています。

アメリカスポーツ医学会(ACSM)によると。「最大酸素摂取量の40~60%の強度の運動を、一般人では最低20分以上、肥満の場合には45~60分維持すること」という指針が出されています。しかし、たとえ強度の低い有酸素運動、例えばウォーキングやジョギングでも45~60分継続することは容易ではありません。定期的に運動してこなかった人は、その時間を聞いただけでダイエットを諦める人も多いのではないでしょうか。そこで朗報があります。それは、有酸素運動の途中にインターバルを挟んでも体脂肪は落ちるという研究報告です。

運動持続より「中休み」が効果的

体内で脂肪を分解しエネルギーを得るには、酸素を用いて酸化するしかありません。つまり、運動によって直接体脂肪を減らすには有酸素運動が必要なのです。安静時のエネルギー源の約半分を脂質、残りの約半分を糖質が担っていますが、運動の強度が高まると、糖質への依存度が高まります。さらに有酸素運動では、脂肪が分解され始めるまでに20分ほどかかると言われています。つまり、あまり強度が高すぎでもいけないし、あまり短時間でも効果が期待できないのです。

とはいえ、「長時間の運動は厳しい」という方は、以下の実験結果をご覧ください。最大酸素摂取量の40~60%の強度の運動を1時間行う場合と、20分間の休息を挟んで30分ずつ行う場合で、ホルモンの応答と脂質代謝がどのように異なるかを検証したものがあります。その結果、アドレナリン、成長ホルモン、インスリンなどの応答は、運動を分割した方がトータルとして大きくなることが分かりました。また、血中の脂肪酸とグリセロールも、脂質へのエネルギー依存度も、最終的には運動を分割した方が高く、しかも運動終了時にもしばらく高いレベルが維持されました。この研究結果は、運動を長く持続するより、「中休み」を入れた方が、脂肪の減量に効果的であることを示唆しています。おそらく、運動から脂質代謝に至るステップのうち、いくつかは運動を一時停止してもしばらく「オン」の状態にあるための推察されます。

まとめ

長時間の運動に心理的な抵抗がある方でも休憩を挟むことで、精神的にも肉体的にも抵抗が減るのではないでしょうか。ストレスが小さい方が、運動もダイエットも継続しやすくなります。「中休み」と取り入れながら、運動を習慣化していきましょう。