やせるというと、必ずカロリーの話がセットでついてきます。カロリーが多ければ太る、少なければ痩せる。カロリーを制限をすることに囚われ、ダイエットがストレスになるパターンもよくあります。ですが、カロリーとはなんでしょう?カロリーだけ見ていれば痩せるのでしょうか?今回はカロリーについて説明します。

そもそもカロリーは存在しない

欧米の先進的な研修者たちの間ではカロリーは存在しないという考えが広まっています。そもそもカロリーとはなんでしょうか?実はカロリーという概念は、もともとは石炭の品質をあらわすための尺度でした。蒸気機関車が全盛だった頃、石炭を燃やしてどれくらいの熱が出るかを図るためにつくられたのが「カロリーメーター(熱量計)」という機械でした。この機械が栄養学の世界で使われるようになったのは1920年代。石炭の代わりに食材を「カロリーメーター」へ入れて燃やし、どれくらい熱が出るのか測ったものが、いま私たちが使っている「カロリー」です。

カロリーが栄養学の世界で使われるようになった理由

人間は体の中で食べ物の栄養を燃やしてエネルギーに変えている。だから「カロリーメーター」で食材を燃やせば、体内でどれくらいの熱に変わるか、おおよその判断の目安になるだろう、という発想で、栄養学の世界で使われるようになりました。「カロリーメーター」で食材を燃やしてみると、一番良く燃えるのは油です。なので、油はカロリーが高い、太る、という考えが浸透しています。

太る理由はカロリーではなく代謝の問題

人が太るのはカロリーが高いものを食べたからではく、体脂肪がつくからです。そしてその体脂肪は体の中で代謝や排泄されなかったものからつくられます。カロリーは体内で起こる酵素反応や排泄などを考慮していません。つまり、カロリーは「カロリーメーター」という機械で燃やしたときのただの値に過ぎません。カロリーに囚われるはやめましょう。したがって「カロリーゼロ」や「カロリーオフ」の食品や飲料は、健康やダイエットを考える上で意味がないことが分かります。

著者の考え

人の体は糖と油が同時に入ってくると消化に負担がかかり、代謝しにくくなるため、体脂肪になりやすいです。食材を燃やした場合、よく燃えるのは油と炭水化物でしょう。とんかつやラーメンなどの油と炭水化物の組み合わせはカロリーが高く、実際に太りやすいと言えるでしょう。ですが、必ずしもイコールではありません。また、カロリー制限を行うことで全体的な食事量が減り、体重が減少するかもしれません。しかし、カロリーだけを考えることで、栄養が不足した結果、代謝が落ちかえって痩せにくくなる可能性もあります。以上のことからもカロリーだけに囚われるのは危険です。食材に含まれる栄養素や加工の過程なども考えて食事を選ぶようにしましょう。