一言で「ダイエット」といっても、合う食事方法は千差万別。今回は体質を「瘀血タイプ」と「水毒タイプ」に分け、体の状態や症状に合わせたダイエット方法をお話しします。「食べるものを改善したが、中々痩せない」「ダイエットが続かない」という方は自分に合っていない方法を選択している可能性がありますので、参考にしてください。

体質診断

まず、現状を知るために、下記のチェックリストで体質を調べてみましょう。多く当てはまる方がご自身の体質です。

瘀血タイプ

□肉、卵、乳製品が好き(摂ることが多い)
□週に3〜4回、外食または出来合いの弁当などを食べる
□お菓子やケーキなど、甘い食べ物が好き
□パンやパスタをよく食べる
□揚げ物や加工肉(ソーセージ、ベーコンなど)が好き
□空腹を感じる前に食べる習慣がある
□舌の裏に大きな2本の赤黒い筋が浮き出ている(舌下脈絡の怒張)
□市販のマヨネーズ、ドレッシングなどをよく使う
□くま、シミ、そばかすができやすい
□肩こり、腰痛がある
□生理痛が重い

水毒タイプ

□運動不足と感じる、車移動が多い
□濃い味付けや塩気のあるものが好き
□舌が白くぽてっとしており、縁に歯型がつく
□意識的に毎日2L以上の水分を摂っている
□脚が浮腫みやすい
□関節痛がある
□お腹周りを触ると冷たい、冷え性
□胃もたれしやすい、食欲にムラがある
□不安を感じやすい
□体が常にだるい
□コーヒーやアルコールが好き

瘀血タイプとは

体内を循環する”血”が汚れている状態を、中医学では”瘀血”といい、様々な病気を引き起こす原因になると言われています。

瘀血タイプの原因と症状

瘀血タイプは、体に老廃物が溜まっていることが痩せにくさや不調の原因。

摂りすぎることで瘀血になりやすい食品

・肉
・小麦粉(パン、麺類、揚げ物 など)
・白砂糖(ブドウ果糖液糖などのシロップを含む)
・質の悪い油(ショートニング、植物油脂、酸化した油、油を使用した高熱調理)
・添加物(加工品、出来合いのお弁当、インスタント食品、化学調味料、 など)

これらの食品や過度のストレス、不規則な生活習慣が原因となり、肩こり、腰痛、くま・しみ、便秘、手足の冷え、貧血、生理痛などの症状を引き起こします。さらに、瘀血によって思考もネガティブになりやすいのでストレスが溜まり、どか食いや間食によるリバウンドの原因になります。

瘀血タイプの生活習慣のコツ

改善策として、まずは1ヶ月、上記の食べ物を控え、生の葉野菜を多く摂るようにしましょう。サラダとして摂る場合は、天然塩、酢またはレモン果汁、ココナッツオイルまたはエキストラヴァージンオイルなどをかけると市販のドレッシングを使わずに美味しくいただくことが出来ます。

また、内臓の機能低下による消化不良は老廃物を溜め込む原因となります。胃や腸を休め、デトックスの時間をつくるため、朝スムージー(手作り)などにして摂ることもおすすめです。朝起きてから12時まで固形物を摂らずに過ごすことで、半断食の効果もあります。普段朝食を摂る習慣があり、朝しっかりと食べないとお腹が空いて昼食までもたない方はフルーツなど消化に時間のかからないものに置き換えることもおすすめです。同じく、消化不良を防ぐ目的で「空腹を感じてから食べる」「1口20回以上噛む」ことも合わせて行っていきましょう。余分な脂肪を落としながら、体の不調も改善していくことができます。

水毒タイプとは

体内を循環する”水”(体液)が排泄されず、余分に溜まっている状態を、中医学では”水毒”といいます。

水毒タイプの原因と症状

体に余分な水分(水毒)が溜まっていることが痩せにくさや不調の原因。水分の摂りすぎやトイレの回数が少ない、筋力の低下(特に下半身)、内臓機能の低下などが原因で “ 水分の摂取量 > 水分の排泄・代謝量 “ の状態が続くと、体内に溜まった水分が毒となり、手足の冷え、浮腫お腹周りの冷え、胃腸虚弱、体が重だるく、疲れやすい、白髪や抜け毛が増える、下半身太り、関節痛、めまい、頭痛、吐き気などの症状が起きやすくなります。

水毒タイプの生活習慣のコツ

よく「水分をたくさん摂ると痩せやすい」といったアドバイスがありますが、あなたの体が「どれだけの水分を代謝・排泄しているか?」によって、適切な摂取量は異なります。

1.排泄・代謝できる体質づくり
2.適切な水分量を摂取すること

水毒を改善するには上記の2つに取り組んでいきましょう。

全身の水分代謝の働きを担うのは “腎” 。不要なものを尿に排泄する他、精気を蓄え、体や臓器を温める働きがあります。

腎の機能を高めるためにおすすめの習慣

・黒い食材を摂る(昆布、わかめ、のり、黒豆、黒ごま、黒酢 など)
・コーヒーやジュースなど色のついた飲み物、アルコールを避ける
・足腰を鍛える(スクワット、かかとの上下運動、ウオーキング など)
・体を冷やす食材や飲み物は避ける

他、水毒の改善策として「2時間に1度、トイレへいく(1日7回が目安)」「喉の乾きを感じた時にこまめに水分を摂る(1日1〜1.5Lが目安)」ことを意識しましょう。体質が改善してくると 排泄の頻度・水分量等、必要な量やタイミングが分かるようになります。まずは1ヶ月、量やタイミングも合わせて意識してください。

著者の経験とまとめ

水毒は関節痛の原因にもなります。私の体験談ですが、整体やリハビリでは治らず、「手術をしなければ、今後歩けなくなる」と医師に言われた慢性的な膝の痛みが、浮腫改善の目的で食事を変えたところ、徐々に痛みが改善し、今ではほとんど痛みが出ることはなくなりました。「ダイエット目的でアドバイスの通りに食事を変えたところ、他の不調が改善した」という言葉をお客様からもよく耳にします。

また、瘀血タイプの方が低糖質・高タンパクな食事を意識し、毎日肉や卵を摂り続けていると痩せにくい上に、生理痛が重くなるなどの症状が起きます。ご自身の体質や体調、ライフスタイルに合わせた食事を選択していきましょう。目先の減量や断片的な「良い・悪い」に縛られず、健康の先にある美しさを目指して、食事や習慣を選択していきましょう。