ダイエット中の女性に人気の豆乳。ですが、豆乳の常飲は身体を不健康にしている可能性があります。今回は豆乳が身体に与えるデメリットについて説明します。また、前回は大豆に含まれるイソフラボンが身体に与える影響について説明していますので、ぜひ合わせて御覧ください。

前回記事:下半身太り・PMSは豆類の摂りすぎに注意

「調製豆乳」はシロップ入りのジュース

「豆乳」といえど、味付きの豆乳や味の無い調製豆乳、無調整豆乳など種類は様々です。大前提として、無調整豆乳以外は飲みやすくなるようブドウ果糖液糖などのシロップ類が入っているため、「健康に良い」とは言い難いでしょう。基本的にチェーンのコーヒーショップなどで提供される豆乳(ソイラテなど)は調製豆乳が使用されています。

大豆に含まれる「反栄養素」が身体に与える影響

では、無調整豆乳であれば健康に良いのでしょうか?一概にそうとは言えません。大豆は、反栄養素と呼ばれるファイトケミカルを含んでいます。反栄養素は、体に以下のような悪影響を及ぼすことが分かっています。

1.体内でのたんぱく質の消化吸収を妨げる。
2.カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などの重要なミネラルの体内での吸収率を下げる。

豆類は、基本的に一晩水に浸けて、その水を捨て、十分に調理してから食べます。こうして手間をかけるのにはちゃんとした理由があります。それは反栄養素を取り除くためです。反栄養素は、豆を水に浸けることによって、固体から浸けている水に移ります。その後、取り出した豆を時間をかけて調理すればするほど、反栄養素は破壊されます(しかし、完全になくなることはないと言われています。)

豆乳は反栄養素が集まった液体

豆乳の場合はどうでしょう。豆を水に浸すことによってできた豆汁、それが豆乳です。つまり、豆乳は、反栄養素の固まりです。反栄養素が、たんぱく質やミネラルの吸収能力を邪魔するのであれば、豆乳が健康によいとは決して言えません。豆乳だけではなく、豆腐などの水気を多く含む大豆にも、より多くの反栄養素が残っているので気をつけましょう。豆腐が固めであればあるほど、より水分が少ないので反栄養素も少なくなります。一番反栄養素の含有量が少ないのがテンペです。

ただし、大豆製品から反栄養素を取り除く方法が一つだけあります。それが、発酵です。なので、味噌と納豆は一番いい大豆食品と言えます。ただし、反栄養素を腐食させるには、時間をかけて発酵させることが大切。味噌や納豆を購入する際は、昔ながらの正しい製法で作られたものかをしっかりと確かめるようにしましょう。スーパーマーケットにある味噌と納豆のほとんどは、発酵を早めるために、化学薬品や過度の熱を加えているものが多いので注意してください。

また、昔ながらの日本の食卓を思い出してみましょう。味噌汁に入っているお豆腐の量はほんの少し、冷ややっこは一丁を家族全員で分ける程度の量。大豆食品は、いつもメインディッシュではなく、調味料や付け合せのような役割として存在していたのです。また、日本人は元々豆乳を飲んでいませんでした。日本で豆乳が飲まれるようになったのは、1960年代の初め。世界最大の大豆生産国アメリカからの情報によって豆乳が推奨されるようになってからです。(アメリカは世界の大豆生産の50%以上を占め、アメリカ産の大豆90%以上が遺伝子組み換えです。)

著者の考え

「大豆は植物性のタンパク質だから」と積極的に豆乳を摂っている女性も多くいます。しかし、豆乳を摂ることでタンパク質やミネラルの吸収を阻害してるかもしれません。健康になるために積極的に摂るのではなく、豆乳の味が好きな方は嗜好品としてたまに飲むのが良いでしょう。