ボディメイク初期においてお菓子を食べないようにするのは重要なことですが、一度習慣化してしまうとついつい食べてしまうものです。お菓子は絶対にNGというわけでなく、実は上手な付き合い方を学べばプラスにも働いてくれるお菓子について深く学んでみましょう。
お菓子は何故太るのか?
お菓子といえば太ることの代名詞ともいえるほど、太りやすいことで知られた食品です。実際、ボディメイク初期においては食事法は健康的な自然食に置き換えられていても、日中や仕事の合間にお菓子を食べてしまい一日のトータルで見ると、知らずオーバーカロリーになっていることは本当によくあることです。ですがここでもう一歩、お菓子について踏み込んで考えてみましょう。一体お菓子の何が悪いのでしょうか?
例えば、チョコレートはカカオと砂糖で出来ています。カカオは糖分、食物繊維の他、ポリフェノールや様々なミネラルを含んだ高機能な食品です。砂糖は確かに太りやすいものですが、チョコレートに含まれる砂糖そのものの量は私たちがチョコレートに抱く印象ほどの量でもありません。つまり、純粋なチョコレートはボディメイクにおいてそれほど悪いものではないのです。では何が問題なのでしょうか。それはチョコレート菓子に含まれる、カカオと砂糖以外の食品添加物に問題があります。市販のチョコレートの成分表を見て頂くと分かりますが、保存料や増粘剤、ph調整剤等の様々な食品添加物が含まれています。そのなかでもショートニングにはトランス脂肪酸という成分が多く含まれています。このトランス脂肪酸は私たちの体内のオメガ3脂肪酸の代謝を抑制します。私たちの体内にはオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸をはじめ、様々な脂肪成分がありますが、なかでも大きな割合を占めるオメガ3脂肪酸のはたらきを阻害することで、生体エネルギーとして脂肪が活用されにくくなります。すると体内の体脂肪が燃焼しにくくなるため、脂肪はエネルギーとして使われないが、余ったエネルギーは脂肪に変わることによって太りやすくなるメカニズムになります。ショートニングによる脂肪代謝の抑制は、チョコレートに含まれる悪性のほんの一部分に過ぎませんが、ここで伝えたいことはお菓子の問題はお菓子そのものでなく、お菓子製品に含まれる食品添加物に主な原因があるということです。
また、お菓子には自然界の数百倍の刺激を感じる人工甘味料が多く使われており、これらは軽度の中毒性を持つことから、一度甘くて高脂質なお菓子を口にしてしまうと、身体から成分が完全に代謝されるまで、また同じお菓子が食べたくなってしまいます。そうすると、お菓子と同時に食品添加物を摂取するため、私たちの内臓は疲弊し、身体は疲れやすくなり、太りやすい体質になっていきます。今回取り上げたチョコレートに限らず、ほとんどのお菓子製品には様々な食品添加物が含まれているので一度成分表を見ておくといいでしょう。まずはこのメカニズムを知っておきましょう。
お菓子は本当に悪なのか?
お菓子の悪性はお菓子そのものでなく、お菓子製品に含まれる食品添加物にあることを解説しました。それではこのようにも考えられないでしょうか?「お菓子の悪が食品添加物にあるのなら、それらを除いたもしくは限りなく少ないお菓子なら問題ないのでは?」その通り、答えはYESです。実際にそういった、オーガニックチョコレートと呼ばれる限りなく食品添加物を排除したチョコレートも存在します。とはいえ、一枚あたり600円〜1500円程度はするものなので、一般的な一枚あたり100円で買えるチョコレートと比べると割高です。また、類似商品としてオーガニック風なパッケージだが、成分表を見ると一般レベルと成分が変わらない300円前後のオーガニック雰囲気なチョコレートも多く存在しているので成分表は確認しましょう。このように、お菓子製品であっても身体に良いものを厳選して作られている商品は割高ですが存在します。
また、自作することで安全にお菓子を食べるという手段もあります。例えば「プリン」は卵、牛乳or生クリーム、はちみつを加熱して作ることが出来ます。それぞれの食品は通常のご飯にも使われる素材で出来ているので、混ぜて加熱し「プリン」として食べたとしても、素材で見ると卵、牛乳、はちみつを食べていることになるので、お菓子として食べたとしても体内では通常の食品と同様に代謝されます。当然、不要なショートニングや植物油脂は、使わないことで意図的に避けることが出来ます。
成分の良いお菓子を選ぶか、自作をすることによってお菓子によるボディメイクへの悪性は限りなく小さくすることが出来ます。そのため、ボディメイクをしている人たちはしばしばお菓子づくりに詳しくなっていきます。以前にもお話したとおり、食品添加物や人工甘味料の代謝には数日を要するため、一度口にしてしまうと、数日に渡ってトレーニングやボディメイクの足を引っ張ることを考えれば、安易なお菓子の摂取は避けたいものです。
お菓子を食べたくなるとき
実はお菓子を食べたくなるタイミングには、ある程度の規則性があり、事前に対処することによってお菓子を食べたくならないよう調整することができます。私たちがお菓子を食べたくなるのはいつでしょうか?朝起きてすぐ?いえいえ。大抵は、昼食と夕食の間か、夕食と就寝の間ではないでしょうか。朝起きて朝食を食べていれば、体力も多く残っていることからお昼までにお菓子が食べたくなることは少ないものです。ですが、午後になり頭脳作業や体力作業などによって、お昼ごはんのエネルギー(糖質)が代謝されて、血中の糖の濃度が下がってくると段々とお腹が空いてきます。多くの人は軽度の食欲はそのままにしておくので更に血糖値が下がります。すると、我慢出来なくなるくらいにまで血糖値が下がってしまったら、今度は出来るだけ素早く栄養を補給しなければと、一気に何か食べたくなります。このときお菓子が選択されやすいのは、お菓子が高糖質、高脂質であるために、少ない量で効率的にエネルギーを補給することが出来るからです。もちろん、美味しいからというのもあるでしょうが、15時に選択されるのは「すき焼き」よりも「ケーキ」が優先されることをイメージすれば、すき焼きは分解してエネルギーになるまでに時間が掛かるからとも言えます。
つまり、私たちがお菓子を食べたいときは、「栄養を補給したい」時だと考えることが出来ます。血糖値は下がり過ぎると体力の低下や作業効率の低下に繋がるので、我慢の精神がどうということでなく栄養として必要性があると言えます。そうであるならば、こちらから積極的に、血糖値が下がり過ぎる前に、良い栄養を補給すれば良いのです。具体的な方法は好みにもよりますが一例として、いつもお菓子が食べたくなる30分ほど前や15時など定時を決めて、はちみつやヨーグルト、ナッツ、りんご、バナナ等の良質な栄養を取ってしまえばいいのです。実際に摂取してみると、お菓子を食べたいという気持ちは落ち着くか、発生しなくなります。これは15時のおやつに限らず、夕食のあとのデザートも、過度に就寝直前まで遅くならなければ、身体にとってプラスに働きます。取り方次第で甘味がボディメイクの味方になるわけです。また、温かい紅茶やお茶なども胃腸に優しく満足感を与えてくれます。
身体の調子とお菓子との関係
実は身体の調子とお菓子との欲求にも相関があり、一日のなかで座っている時間が長い人ほどお菓子を食べたくなる傾向にあります。あなたも一日外でスポーツをしたときと、デスクワークをしたときではお菓子の欲しさに違いが出るのがイメージできるのではないでしょうか。この理由も先程あげた血糖値と同じ傾向があり、座っている時間が長いほど、背中が丸くなることで背中の自律神経が常に圧迫され、血糖値への反応が鈍くなり、かなり血糖値が下がったタイミングで急に何かを食べたくなることで、その急性から「お菓子」が選択されます。一日のなかでも座っている時間が長いことで血流の低下による、血糖値への反応鈍化もあるために、仕事などで日常的に座っている時間が長い人は、慢性的に猫背になりやすく、より常に自律神経が圧迫された状態となり、こちらも血糖値への反応が鈍化し、結果的に健康的な食生活よりも、手軽であまりお菓子や、お菓子のような食品を好むようになります。
これらの原因はいずれも脊柱のアーチが強まり続けることに端を発しているので、姿勢が猫背でお菓子を食べがちになるタイプの方は、ストレッチや柔軟運動をすることによって、お菓子を食べたい気持ちを軽減もしくは問題でなくなることが期待できます。ストレッチをすると可動域が広くなり、骨盤や筋肉がスムーズに動くようになります。すると、首と骨盤で強く引っ張られていた脊柱が良いアーチに近づき、自律神経の圧迫が軽減されることで、血糖への自然な感覚が回復し、結果的にお菓子を食べずに済むというわけです。これは座っている状態でも、20分に一度適度なストレッチを行うことで症状が改善することが期待できます。完全に立位の生活とまではいかないものの、長時間同じ姿勢を取らないことでも改善が見込まれます。場合によってはベストな方法が取れないときにも、まずはベターからはじめてみることが大切です。
まとめ
お菓子の問題はお菓子そのものでなく食品添加物
お菓子の甘味には中毒性がありまた食べたくなる
お菓子は自作することで健康食にできる
オーガニックな市販のお菓子も存在する
お菓子を食べたくなる前に良質の栄養を摂ること
脊柱のアーチを整えれば食欲も安定する