CHAPTER 07 他者の話題を独占するバイラルマーケティング

 

多くの人が、あなたのビジネスのことを前向きに話題にするようになれば、マーケティングの必要さえなくなる。SNSや広告マーケティングの公式が「発信→視聴者→成約率」であるとすれば、「口コミ→成約」であるバイラルマーケティングには、あなたの時間と労力を必要としない。「話題にあがること」それが最大のマーケティングであり、その間に別の仕事をしていたなら、時間対効果が跳ね上がり、あらゆる面で有利に働くことは言うまでもない。そのためには、話題にあがることを意図したコンテンツを作ること。この場合見てくれてる人が多いほど有利なので、フロントコンテンツにて話題性を狙うことが望ましいが、バックコンテンツにおいて羨望を狙う手もある。あなたのビジネスに合わせて、話題性を獲得するコンテンツを設計しよう。

 

話題にあがることが最大のマーケティング

 

どこから発信を意図するのか!?

あなたのビジネスに参加するモチベーションづくりはある程度、他社に任せることができる。例えばエステサロンを経営している人が、自身の集客を高めるために「美しく在ろう!」「美しさは素晴らしい」と様々なかたちで美の必要性やモチベーションを高めたとする。それを見た受け手は「美しくなりたい!」と考えるだろうが、それでも広告主のエステサロンに足を運ぶとは限らない。近所のエステサロンを検索し、レビューの高いところに行くかもしれないし、友人にアドバイスを求めるかもしれない。あなたが一生懸命広告をしても、他社の売上をあげているだけかもしれない。

 

基本的なモチベーションづくりは他社に任せていい

 

必要なとき一番にイメージされるようになる

この効果を逆に活用すると、基礎的なモチベーション作りは他社が行ってくれるということだ。そうであるならば、注力するべきは、顧客のモチベーションがあがったとき、必要だと感じたときに、一番にあなたのビジネスがイメージされること。それは実績やビジネスの規模で一番でなければならないというわけではない。凄そうに大仰に振る舞う必要もないし、権威を模した態度を取る必要もない。顧客にとってあなたのビジネスがぴったりと一番であればいいのだ。それは、親切さや丁寧さかもしれないし、親密さや評判かもしれない。真実の優位性や、本当の利点、極上の体験など、あなたが仕事と顧客の人生に本物の情熱を注ぎ、並ぶもののいない「品格」を手に入れることだ。

 

圧倒的な顧客思考を成り立たせる器量がビジネスの「品格」を決める

 

顧客とのパートナーシップを優先する

多くの経営者は、新たな顧客を獲得しようと躍起になるあまり、潜在顧客(もう少しでお客様になりそうな人たち)にばかり時間とお金、労力を費やしている。いま契約しているクライアントよりも、新たなクライアントの方にエネルギーを注ぐ。だがそれでは、本来のビジョンの達成が難しい。成功している企業は、既存の顧客を大切にする。それは発展途上のビジネスであろうと、マイクロビジネスであろうと変わらない。理想論や机上の空論でもなく、エネルギー、時間は常にインサイドしなければ、どこかで不調和を起こす。

思考の中心が既存の顧客であるように常に意識しよう。キャンペーンや企画においてもあなたのビジネスを信頼してくれているファンを大切にしよう。そうすれば、クライアントは感動し、喜んでくれる。その姿が潜在顧客への断然とした説得力になり、長期的になるほどにファンは積み重なり、売上も最大化する。ビジネスの繁栄は常に内から外へ、ジャンプすることなくスムーズに配慮を繋げていこう。

 

新規集客ではなく既存のクライアントを優先する

 

信頼されるパーソナルブランドを築く

会社を設立して、立派なブランドロゴを掲げれば、信頼されてきたのは昔の話。今では、会社とは代表者の顔であり、代表者が会社になっている。ユーザーは会社の商品やサービスを見るとき、同時に創立者はどんな人物か?CEOはどんなバックグランドを持っているのか?どんな哲学を持って運営しているのかを考慮する。人は社名やロゴよりも顔やキャラクターの方が覚えやすく愛着も湧く。Softbankのお父さん犬は、Softbankという会社とユーザーとを愛着深く繋ぐ良い役割を担っている。お父さん犬を愛することで、間接的にSoftbankを愛し、信頼に繋がっている。

あなたのビジネスが独自のビジネスパーソナリティーを確立するために、代表であるあなた自身や、社員、マスコットキャラクターなど、社名に変わって愛されるべきキャラクターを周知しよう。あなたの市場において、知名度を高め、好感度を高め、信頼度を高めていくことだ。そのためには、動画、ブログ、記事、書籍、メディア出演、講演、宣伝、イベントなどが、あなたのビジネスパーソナリティーを築く手段になる。

 

社名よりも代表者の顔を覚えてもらう方が早い

 

会社とは「人」である

あなたが独自のビジネスパーソナリティーを構築できれば、顧客はごく自然にあなたのビジネスを友人に勧めてくれるようになるだろう。○○といえばあなたの会社と一番に名前があがるようになり、それと同時に代表者であるあなたの顔が自然と目に浮かぶようになれば、顧客が話をしているのはあなたのことであっても、それが自然と会社のCMとして機能することになる。

その逆は難しい。誰かがあなたの会社の社名を話しに出して、楽しく前向きにお喋りをするシーンはあまり想像出来ないが、誰かかがあなた自身のことを楽しく話をするのであれば自然な流れだ。これが代表者をキャラクターとして周知し、顧客を感動させ続けることで発生する、バイラルの魔法である。これは、フロントメディアからバックコンテンツまでのすべてのメディア構築が完成して、はじめて圧倒的な効果を発揮する。自然と誰かがあなたのことを話し、その流れであなたのコンテンツを読んだ人が、ブログやLINE@などのオウンドメディアに辿り着き、メディアを購読していると数カ月後には、あなたの会社の顧客になっているだろう。

 

擬人化することでバイラルは加速する

 

ビジネスが変わっても信頼は継承される

築いた独自のビジネスパーソナリティを会社でなく、代表者にする理由はほかにもある。それは、別のプロジェクトや次の事業展開をした際にも、その信頼と顧客は引き継がれるということだ。もしもプロジェクトや会社を周知していたら、新たなプロジェクトをする際には、誰もあなたのことは知らない。またゼロからプロジェクトの周知をはじめることになる。

しかし、あなた自身を周知していたのなら、その信頼は継承される。「○○さんのビジネスね」「○○さんなら大丈夫」と、最初から知名度も信頼性も担保される、潜在顧客も充分にいる。これほどスタートアップにおいて有り難いことはない。あなたが起業家という人生を数ヶ月で終えてしまうのであれば話は別だが、これから数年、数十年と起業家人生を歩むのであれば、ぜひ、あなた自身のビジネスパーソナリティーを育て、「あなたの運営する会社」「あなたのプロジェクト」とまず「あなた」の顔を覚えてもらうようにすることをお勧めする。

 

あなたを周知すれば、その信頼はずっと継承される

 

ブランドを優先すれば道が見える

「あなたの会社が売上をあげるには?」と思考をはじめると、どの方向性でも思考展開が可能で、おそらく終着点がない。どちらに行けばいいかわからないから、どちらにも歩みをはじめられないだろう。だが、あなたの会社のブランドを高めるためには?と思考すればどうだろうか。あなたのビジネスパーソナリティーを高めるためには?より多くの人に知ってもらい、好感を持たれ、信頼を高めていくために、メディア(動画、ブログ、記事、書籍、メディア出演、講演、宣伝、イベントなど)を通じて、何をして行くべきだろうかと考えると、かなり方向性が定まってくるはずだ。あなた自身やあなたのビジネスには、性格にも似た性質があり、それがキャラクターとして市場にどう作用させて、プロデュースし、売り込んでいくことが適切なのかは擬人化することで想像に容易い。

あなたのビジネスをあなた自身に置き換えて、そのキャラクターがどのような性質であれば、市場に受け入れられやすいか。望んだ顧客を獲得出来るのか?どう発言し、どう行動するべきなのか、その規範を考え、策定しよう。あなたの独自のビジネスパーソナリティーを築こうとすることが、結果的に最短であなたのビジネスの売上を最大化することに繋がっているのだ。

 

独自のブランドを築くことが結果的に売上を最大化する

 

<この章のまとめ>

  • 話題にあがることが最大のマーケティング
  • 基本的なモチベーションづくりは他社に任せていい
  • 圧倒的な顧客思考を成り立たせる器量がビジネスの「品格」を決める
  • 新規集客ではなく既存のクライアントを優先する
  • 社名よりも代表者の顔を覚えてもらう方が早い
  • 擬人化することでバイラルは加速する
  • あなたを周知すれば、その信頼はずっと継承される
  • 独自のブランドを築くことが結果的に売上を最大化する