食べることは生きること。人間が活動する上で必要なエネルギーや身体を構成している筋肉、臓器、骨などの組織、それらも食物に含まれる栄養素によって作られています。栄養素は、食物の中に含まれているさまざまな物質のうち、生命活動を営むため人間の身体に必要な成分であり、タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルに分類されます。それぞれの基本的な働きと代表的な食材について復習しましょう。

身体に必要な5つの栄養素

栄養素は、食物の中に含まれているさまざまな物質のうち、生命活動を営むため人間の身体に必要な成分であり、タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルに分類されます。これら5つの栄養素をバランス良く食べることが大切です。

身体のエネルギー源になる「炭水化物」

筋肉・骨・血液・内臓をつくり修復する「タンパク質」

高効率なエネルギー源になる「脂質」

体の調子を整えて生命維持に貢献する「ビタミン」

骨・血液をつくり、筋肉や神経伝達を支える「ミネラル」

炭水化物について

カラダのエネルギー源になる「炭水化物」

炭水化物の構成物質である糖質は、筋肉や肝臓にグリコーゲンの形で蓄えられてカラダを動かすときのエネルギー源になったり、血糖として脳や神経のエネルギーになったりします。つまり、人が活動をするためのパワーとなる栄養素です。炭水化物は糖質と食物繊維で構成されていて、見過ごされがちですが、食物繊維も炭水化物のひとつです。ですが食物繊維は消化酵素によって、分解されずエネルギーをほとんど取り出されないまま体外に排出されるので、腸など消化器官の掃除の役割を持っています。

また、糖質のなかでも吸収が早く血糖値が急激にあがる高GI食品(ご飯やパン、じゃがいもなど)と吸収が遅く血糖値が緩やかにあがる低GI食品(そば、りんご、きのこなど)があり、トレーニング前などすぐにエネルギーが必要なときには高GI、一日のなかで長くエネルギーを使いたいときには低GIなど、状況に応じて使いこなせると良いでしょう。穀類などは、ゆっくり吸収され、血糖値の急激な上昇がなく維持されやすいことから日常のエネルギー補給に有効です。炭水化物はエネルギーの源になります。炭水化物が不足すると、筋肉の分解が強くなり代謝が下がることで太りやすい体質になるので、トレーニングの日や忙しい日には特に意識して摂りましょう。

タンパク質について

筋肉・骨・血液・内臓などをつくる「タンパク質」

タンパク質は、筋肉や骨、血液、内臓などカラダを構成する成分でアミノ酸からできています。摂取したタンパク質はアミノ酸に分解されて吸収され、体内で再び必要なタンパク質に合成されます。筋肉や臓器などがきちんと働くためには、それぞれが正しく機能していることだけでなく、さまざまな酵素やホルモンの存在が欠かせません。その酵素やホルモンも、やはりたんぱく質からできています。私たちの身体をつくる基となる成分であり、健康な体づくりに欠かせないものです。食品としては肉、魚、卵、大豆、大豆製品、乳製品があり、それぞれに含まれるアミノ酸の種類や数、組み合わせが異なります。タンパク質は1種類でもアミノ酸が不足すると合成できないため、偏りなく、いろいろな食品からアミノ酸を摂る必要があります。たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうち、9種類は体内で合成できないので、食品から摂取しなければならない「必須アミノ酸」があります。必須アミノ酸は、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン、スレオニン、ヒスチジン、トリプトファン、リジン、メチオニンであり、「風呂場椅子独り占め」と覚えておきましょう。また、タンパク質は運動後できるだけ早く摂ると筋肉や組織に合成されやすいため、すぐに食事ができない場合は補食(間食)で補うようにしましょう。

脂質について

実は、効率の良いエネルギー源「脂質」

脂質は、エネルギー源として重要な成分です。1gあたり9kcalと少ない量で多くのエネルギーを蓄えることができます。運動時間が長くなると脂質を主に利用し、エネルギー効率が高いために体脂肪は長期的にエネルギーを保存する機能と言えます。また、エネルギー源以外にも細胞膜やホルモンの材料になったり、脂溶性ビタミンの吸収を助けたりする働きがあるので、ある程度の脂質は身体にとって必要な成分であり、ダイエットや減量の際にも最低限の脂質の摂取が大切です。

食品に含まれる脂質は主に脂肪酸から構成されており、その種類によって働きが異なります。肉やバターなどに多く含まれる飽和脂肪酸やオリーブ油や菜種油に多く含まれる一価不飽和脂肪酸は、主にエネルギー源として利用されますが、不飽和脂肪酸のなかでも、多価不飽和脂肪酸のω-6脂肪酸(オメガ6)のリノール酸、ω-3脂肪酸(オメガ3)のα-リノレン酸は、体内で他の脂肪酸から合成できないために体外から摂取する必要がある必須脂肪酸です。ω-6脂肪酸(オメガ6)は、ベニバナ油、グレープシードオイル、ヒマワリ油、コーン油、大豆油、ゴマ油等に多く含まれており、ω-3脂肪酸(オメガ3)は、ニシン、サバ、サケ、イワシ、タラ等の魚介類に多く含まれるため、魚介の油は人体において貴重であり大切です。また、くるみ(その他ほうれん草)にもω-3脂肪酸のα-リノレン酸が含まれており、アーモンドのオレイン酸が血圧や悪玉コレステロールを下げる効果があることから、ミックスナッツが美容健康に良いとされるのもこのあたりの理由からです。しかしナッツは脂質が高いので食べ過ぎには注意。それぞれの脂肪酸をバランスよく摂っていくことが大切です。

ビタミンについて

カラダの調子を整え、
生命維持に欠かせない「ビタミン」

ビタミンは、体内のさまざまな機能を調整する働きを持ち、生命維持に欠かせない成分です。体内で三大栄養素の代謝を助ける、いわば“潤滑油”のような働きをしています。しかし、ほとんどのビタミンは体内でつくりだすことができないため、食品から摂取する必要があります。ビタミンDだけは日光を浴びると皮膚で作られます。

ビタミンは全部で13種類あり、水に溶けやすい「水溶性ビタミン」は、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチン、ビタミンCの9種類、脂に溶けやすい脂溶性ビタミンは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの4種類です。水溶性ビタミンの多くは、過剰に摂取しても摂りすぎた分は尿と一緒に排泄されてしまうため、普段からこまめに補給する必要があります。また、過度の水洗いや加熱など調理の過程で失われることがあるので、一日一品程度は未調理の野菜や果物の摂取が推奨されます。脂溶性のビタミンは、油とともに調理して摂取すれば吸収率が高まります。ただし、ビタミンEを除く脂溶性ビタミン(A、D、K)は体内に蓄積されやすいため、摂りすぎると過剰症が起こることがあります。少々余談となりますが、普通の食生活では過剰症になることはめったにないものの、たとえば毎日レバーやフォアグラを食べていると、ビタミンA過剰症になるおそれがあります。身体に良いとされる食品も食べ過ぎてはいけない例としてご紹介しました。

現代社会においては、加工された食品や便利なカット野菜等によって、水溶性ビタミンが欠乏気味になりやすいので、そのままで食べられる食品を大切にする意識を持つことが健康のバランスを取るために大切です。

ミネラルについて

骨・血液などのカラダの組織をつくったり、
筋肉や神経の伝達に関わる「ミネラル」

ミネラルは、岩や土に含まれる「無機質」と呼ばれるものです。無機質とは、地球上にある118種類の元素のうち、水素、炭素、窒素、酸素を除いた元素のことで、カルシウムや鉄などたくさんの種類があり、現在では114種が発見されています。なかでも人体に必要なミネラルを「必須ミネラル」といいます。必須ミネラルは、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、クロム、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルトの16種類です。

私たちの身体は、約96%が酸素、窒素、炭素、水素の4つの元素で作られており、残りの4%はミネラルでできていると考えられています。ミネラルの必要量自体は少ないのですが、カラダを正常に保つために必要不可欠な栄養素です。ミネラルは体内で生成ができない栄養素ですので、日頃から食べ物や飲み物などで補う必要があります。

体組織の構成、筋肉や神経伝達、体液の調節、骨代謝、血液などに関係します。ミネラルは欠乏症だけでなく過剰症も起こるため、たくさん摂れば良いというものではありません。食塩の主成分であるナトリウムの取り過ぎが身体に良くないことは周知のことですね。自分自身で身体の調子を観察しながら、偏ることなく様々な食品を摂ることを心がけましょう。

まとめ

身体のエネルギー源になる「炭水化物」

筋肉・骨・血液・内臓をつくり修復する「タンパク質」

高効率なエネルギー源になる「脂質」

体の調子を整えて生命維持に貢献する「ビタミン」

骨・血液をつくり、筋肉や神経伝達を支える「ミネラル」