接続詞は文と文をつなぐ言葉です。活用がない体言で、「それで」「しかし」「それから」などが接続詞です。SNSやブログで記事を書く際には、この接続詞に自分なりのバリエーションを持つことで文章がぐっと引き締まって見えるようになります。
まずは次の一文を読んでみて下さい。
私は練習を頑張った。だけど、試合には負けた。 私は練習を頑張った。しかし、試合には負けた。
上記の例では、「だけど」には、個人的な空気を感じます。「しかし」では、かしこまった印象を受けるのではないでしょうか。このように同じ意図を持つ接続詞でも、言葉の印象によって文章の空気が変わります。
適切な接続詞をマスターする方法は、まず伝えたい意図を書いたのちに、文と文を繋げる接続詞を選ぶことです。自分らしく引き締まった文章を書くために、接続詞の一覧を列挙しておきます。こちらから選んで当て嵌めて、より適切な文章にするとともにあなたらしい接続詞のバリエーションをいくつか持っておくと良いでしょう。
- 知っておきたい3つのポイント
- 稚拙な印象を与えがちな接続詞がある
- 接続詞の意図と表現方法一覧
- 『順接』:前の文が原因・理由となり、後の文が結果・結論となる
- 『推論』:前の文を前提とし、後の文を論理的に導き出す
- 『当為』:前の文に対し、後の文が必然であるとき
- 『理想』:理想を前で述べ、それが何における理想か後で述べる
- 『逆接』:前の文から予想される結果とは逆の結果になる
- 『譲歩』:前の文を認めつつ、強調したい後の文を述べる
- 『意外』:前の文に対し、意外な文を述べる
- 『不当』:前の文に対し、道理に合わない
- 『並列』:前の文に後の文を並べる。
- 『列挙』:前の文に対して後の文を並べ上げる際、その順番を示す
- 『添加』:前の文に後の文を付け加える
- 『不唯』:前で述べた文のみではなく後で述べる文もあるとき
- 『否定』:前で述べた文を否定して後の文を述べる
- 『無論』:前で述べた文に加えて、論ずるまでもないことを示す
- 『対比』:前の文と後の文を比べる。
- 『同様』:前の文と同じような内容を述べる
- 『選択』:前の文と後の文を選択する
- 『理由』:前の文についての理由を述べる
- 『事情』:前の文の背後にある事情を述べる
- 『要点』:前の文に対し、要点となる文を述べる
- 『補足』:前の文について補足する
- 『条件』:前で述べた文を条件として後の文を述べる
- 『状況』:前で述べた状況にある場合のことについて述べる
- 『簡略』:前の文を簡単にまとめる
- 『別解』:前の文について別の解釈を述べる
- 『例示』:前の文について例を示す
- 『詳説』:前の文について詳しく説明する
- 『現実』:前の文に対し、現実の文を述べる
- 『一般』:前の文に対し、一般的な文を述べる
- 『注目』:前の文の中から取り立てる
- 『重点』:前の文より後ろの文に重きを置く
- 『転換』:前の文と話題・状況を変える
- 『判断』:前の文に対する判断を後の文として述べる
- 『直言』:前の文を述べたあとに、思っていることをありのままに述べる
- 『結果』:前の文に対する結果を述べる
- 『帰納』:前の文からある文を導き出す
- 『根拠』:前で述べた内容を根拠として、後の内容を述べる
- 『対立』:2つの対立する文を述べる
- 『対照』:2つの対照的な文を述べる
- 最後に
知っておきたい3つのポイント
1.接続詞を使うべきタイミングではしっかりと使う
例えば、前文の理由を説明する場合は、「何故なら」「その理由は」といった接続詞を使います。似た表現として、「なぜかと言うと」があります。SNSの文章でよく使われ、書き言葉でもあり、話し言葉でもあるのですが。少しだけ、話し言葉に寄った印象を受けます。書き言葉として活用する際には、「何故なら」等に置き換えた方が文字数も少なく引き締まって見えます。理由を説明する以外にも、結論を述べる場合の「だから」「つまり」「ゆえに」といった接続詞も使いどころになる接続詞のタイミングです。
2.接続詞を使い過ぎないよう気をつける
文章において、接続詞を削っても意図が伝わる場合には、使う必要のない接続詞である場合があります。接続詞を多用すると文章が読みにくくなるばかりか、それだけで行や空間を使ってしまうために多様は禁物。基本的に削れるときには削っておいた方がテンポが良くなります。また、文章と文章が何度も展開する際に、「しかし〜〜」「しかし〜〜」「しかし〜〜」などと、同じ接続詞を使いたい場面も出てきますが、そういった際には、いずれかの接続を削ることが出来ないか検討したり、文書構成を整理し直したりと、話し言葉では違和感のないものの書き言葉としての見栄えも意識してみましょう。
3.接続詞のあとには読点が基本
接続詞のあとには読点(、)を用いるのが、日本語の基本的なルールです。しかしながらSNSやブログでは、そのような正式表現を崩して文字数を減らすこともテクニックのひとつ。ですので、基本的には接続詞のあとには読点を付けるが、場合によっては省くこともあると考えておくと良いバランスでしょう。
稚拙な印象を与えがちな接続詞がある
注意が必要な接続詞 なので、だから、でも、だって、ので、あと
文章として間違っている訳ではありませんが、ビジネスシーンでは注意が必要な接続詞もあります。SNSは本来、趣味のツールであるため文章も自由にして構わないのは大前提ですが、文章に引き締まった印象を与えたいときには、「なので」⇒「ですので」、「だって」⇒「何故なら」など話し言葉を書き換える習慣を持っておくと良いでしょう。意図を持って崩す場合には問題ありません。「だって、そちらのほうが面白いもんね。」etc…
接続詞の意図と表現方法一覧
『順接』:前の文が原因・理由となり、後の文が結果・結論となる
だから、それで、そのため、このため、そこで、すると、
『推論』:前の文を前提とし、後の文を論理的に導き出す
したがって、ゆえに、それゆえに、
『当為』:前の文に対し、後の文が必然であるとき
だからこそ、
『理想』:理想を前で述べ、それが何における理想か後で述べる
それでこそ、
『逆接』:前の文から予想される結果とは逆の結果になる
しかし、しかしながら、が、だけど、けれども、でも、それでも、
『譲歩』:前の文を認めつつ、強調したい後の文を述べる
ものの、とはいうものの、とはいえ、とはいっても、
『意外』:前の文に対し、意外な文を述べる
ところが、
『不当』:前の文に対し、道理に合わない
のに、なのに、それなのに、にもかかわらず、それにもかかわらず、
『並列』:前の文に後の文を並べる。
また、および、ならびに、かつ、
『列挙』:前の文に対して後の文を並べ上げる際、その順番を示す
第1に、第2に、第3に、
1つ目は、2つ目は、3つ目は、
1点目は、2点目は、3点目は、
1つは、もう1つは、
最初に、次に、最後に(はじめに、そのあとに、おわりに)
『添加』:前の文に後の文を付け加える
そして、それに、それにしても、それから、しかも、さらに、そのうえ、加えて、その上で、
『不唯』:前で述べた文のみではなく後で述べる文もあるとき
そればかりか、そればかりでなく、
『否定』:前で述べた文を否定して後の文を述べる
それどころか、ところが、
『無論』:前で述べた文に加えて、論ずるまでもないことを示す
まして、ましてや、なおさら、
『対比』:前の文と後の文を比べる。
一方、逆に、反対に、反面、そのかわり、
『同様』:前の文と同じような内容を述べる
同様に、同じように、並びに、
『選択』:前の文と後の文を選択する
または、それとも、あるいは、もしくは、
『理由』:前の文についての理由を述べる
なぜなら、その理由は、というのは、というのも、
『事情』:前の文の背後にある事情を述べる
その背景には、これらの背景には、背景には、
『要点』:前の文に対し、要点となる文を述べる
そのためには、それには、
『補足』:前の文について補足する
なお、ただ、ただし、もっとも、ちなみに、実は、そもそも、
『条件』:前で述べた文を条件として後の文を述べる
それなら、それでは、そうすれば、そうしなければ、そうすると、そうしないと、
『状況』:前で述べた状況にある場合のことについて述べる
この際、その際、
『簡略』:前の文を簡単にまとめる
つまり、すなわち、要するに、
『別解』:前の文について別の解釈を述べる
逆に言えば、裏を返せば、
『例示』:前の文について例を示す
例えば、いわば、
『詳説』:前の文について詳しく説明する
具体的には、どのようなものかというと、どういうことかというと、
『現実』:前の文に対し、現実の文を述べる
実際に、現に、事実、
『一般』:前の文に対し、一般的な文を述べる
一般的に、一般的には、一般に、
『注目』:前の文の中から取り立てる
とりわけ、特に、なかでも、
『重点』:前の文より後ろの文に重きを置く
それより、それよりも、それよりは、
『転換』:前の文と話題・状況を変える
それでは、では、さて、ところで、
『判断』:前の文に対する判断を後の文として述べる
だとすれば、だとすると、だとしても、
『直言』:前の文を述べたあとに、思っていることをありのままに述べる
とにかく、ともかく、ともあれ、いずれにしても、いずれにせよ、
『結果』:前の文に対する結果を述べる
その結果、結果として、結果的に、
『帰納』:前の文からある文を導き出す
このように、以上のように、
『根拠』:前で述べた内容を根拠として、後の内容を述べる
以上のことを踏まえて、これらのことを踏まえて、
『対立』:2つの対立する文を述べる
確かに、しかし、
『対照』:2つの対照的な文を述べる
一方では、他方では、
最後に
同じような用途でも、いろいろな言い回しがあります。文章を良くしようと思うとき、「一気にすべて直そう」とすると難しいものですが、まず接続詞に絞って言い回しを検討する。そうして、一語一語と向き合っているうち、自分だけの文章になっていきます。成果も出れば楽しくなってくるもので、あなたのライティングのお役に立てますように。