甘いものは人生の楽しみであり、食後や食間に食べたくなることってありますよね。そんなとき、ケーキを食べすぎたら太るからなぁと罪悪感を感じることはありませんか?私自身、ボディメイクに真剣に打ち込みながらも、幼少期からケーキが大好きです。友達付き合いが多いタイプではなかったのですが、あまりに僕が友人からの「遊ぼう」を断るため、僕の友人たちは皆「白石スイーツ食べにいかない?」と誘うようになり、「白石はスイーツだったらOKする」という文化が根付いてしまうほど、スイーツが好きでした。その情熱から、ダイエットやボディメイクをしていてもスイーツを毎日食べたいという欲求を追求して、毎日食べても痩せるおやつを開発し続けて来ました。そのシンプルな方法や考え方をご紹介します。

スイーツは何故太るのか?

「スイーツを食べたら太る」と考える前に、「何故スイーツは太るのか?」と考えてみます。ごはんも間食も同じ食事なワケで、何かが違うから太りやすい(脂肪細胞へと変換されやすい)のだと考えます。

まず代表的な要因を「砂糖」とイメージする人は多いのではないでしょうか。ガトーショコラ1ホール(18cm)に含まれる砂糖の量は、平均して40gほどです。それを1食あたりに、1ホールを8分割した1ピースを食べることを考えると、40(g)÷8=5(g)です。カロリー換算すると、砂糖5gは20kcalです。健康的なイメージのあるアボカド1個260kcalと比較しても、ケーキ1ピースあたりの砂糖カロリーは取るに足りないことが分かります。

また、私のブログや著書ではたびたび紹介していますが、砂糖をはじめ、ごはん(白米)、野菜などの食物繊維もすべて炭水化物であり、野菜もごはんも砂糖も同じような食材を食べているのだということが分かります。「野菜は健康に良い」といった一般的なイメージとは少し違った印象を受けます。それらも合わせると、ケーキに含まれる砂糖やカロリーがさほど悪く作用している訳ではないということが分かります。

しかしながら、毎日市販のケーキやスイーツを食べ続けると結果的に太りやすくなります。これらは何なのでしょうか?

大きな要因は、①砂糖、②油(脂質)、③小麦粉、④保存料や着色料等の添加物です。ちょっと詳しく見ていきましょう。

砂糖はなぜ太りやすいのか?

ガトーショコラを例に「ケーキに含まれる砂糖は意外と低カロリーである」という話をしましたが、実際のところ砂糖は私たちの身体を太りやすくします。それには様々な要因がありますが、代表的なものを紹介します。

まず白砂糖はGI値110とみりんGI値15と比べても非常にGI値の高い食品です。GI値というのは、血糖値の上がりやすさを表していて、GI値が高いほど血糖値が急上昇しやすいと言えます。血糖値が急上昇することによって、血液中の糖を急いでもとの状態に戻そうとインスリンという栄養を運ぶホルモンが大量分泌されます。すると糖がエネルギーとして活用されるよりも早く全身の細胞に送られるため、使われない糖が余ってしまいます。余ったエネルギーを人体は脂肪として蓄積しておくため、脂肪細胞の量と数が増えます。それによって、次回エネルギーが入ってきたときの余剰エネルギーを受け入れる器(脂肪細胞)が増えるために、脂肪が増えやすいというメカニズムになっています。簡単に表現するなら、血糖値が急上昇するものは太りやすいと言えます。

白砂糖はさとうきびから作られていて、さとうきびを小さくカットしてすり潰して汁を取ったあと、石灰と煮詰めていらない成分を取り除いて黒砂糖や和三盆をつくります。それらを更に煮詰めて結晶化させたものが三温糖であり、三温糖を遠心分離してミネラルなどを更に取り除いて白砂糖が作られています。黒砂糖にしょっぱいものや苦味がある品種が多いのは、さとうきびの成分をより多く残しているためなのです。

こうして何度も精製工程を経た白砂糖は非常に強い刺激を舌と脳に与えます。この強い刺激が脳に快楽物質を発生させてストレスを和らげます。脳の構造としてストレスと満腹中枢はとても近い部位が反応するために、砂糖を食べることでストレスが緩和されることを知った脳が、今度は反対に心理的なストレスを受けるとそれを緩和させようと砂糖を欲するようになります。この現象の体感が、「お腹が空いて何かを急いで食べたい」ときと「ストレスを緩和するために刺激の強い糖質が欲しい」ときと非常によく似ていて、なんとなく感じていると感覚の見分けがつかないので、私たちは疲れたりストレスを受けると白砂糖の甘味や油分などの効率的なエネルギーが欲しくなります。これも簡単に表現するなら、砂糖には中毒性があって、ストレスに反応して不必要に食べたくなってしまうと言えます。

この解決策は、実は非常に簡単です。それは白砂糖をてんさい糖や黒砂糖などの生成工程の少ないものに置き換えてしまうことです。そうすることによって、糖分以外にもミネラル分など様々な成分が残っているので刺激が弱くなり影響が小さくなります。黒砂糖だと調理時の風味を変えてしまうのでお料理を選びますが、てんさい糖だと風味を変えないため使いやすくオススメです。てんさい糖は、甜菜(てんさい)と呼ばれる、ほうれん草の仲間(同じ)ヒユ科の植物です。てんさい糖はGI値60と、はちみつGI値88よりも小さく身体への反応がとても柔らかな糖分です。

こうしたてんさい糖で出来たスイーツを食べると身体への反応は和らぎまずが、てんさい糖や黒砂糖や和三盆などは市場に出回りにくいので、平均価格が白砂糖に比べて高価になります。ですので、メーカーが製造するお菓子に含まれる糖分には、白砂糖が選ばれることがほとんどです。

スイーツの油とは?

スイーツに含まれる油、つまり脂質は大きく分けて2種類です。1つ目は、牛乳、チーズ、ナッツ、生クリーム、ヨーグルト等の食品内に含まれる脂質です。2つ目は、スポンジケーキ等を美味しく膨らませる際に使われる、サラダ油です。

食品に含まれる油分は、さほど気にする必要はありません。ナッツが美容に良い等という話は聞いたことがある方もいるかもしれませんが、良質な脂質を適量取ることは、人体にはある程度必要です。「人間の身体は60兆個の細胞で出来ている」などという話にもある通り、人体は小さく見ると 内臓も肌(皮膚)も髪も骨も筋肉も、すべてが細胞でできています。細胞はそのほとんどが水分で出来ていて、中心には細胞核がありそれらをぐるりと細胞膜で覆っています。この細胞膜によって細胞は形を留めておくことが出来ますが、細胞膜は脂質(油分)で出来ています。食事制限などによって、油分を極端に制限すると髪や肌がパサついて来るのは、健康な細胞膜が作られにくくなるためだと言え、適量の油分は人体において必要であり、食品由来の油分程度は摂取しておいた方が良いと考えられます。油にも飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。不飽和脂肪酸の中でもオメガ6系、オメガ3系と呼ばれる、リノール酸やα-リノレン酸、アラキドン酸は、人間の体内でつくることができないため必須脂肪酸と呼ばれており、経口摂取(食べる)必要がある油分です。

問題になるのは、直接的な油(脂質)です。サラダ油のサラダは「植物」のことを意味しています。サラダ油とナタネ油は同じものと考えられがちですが、サラダ油には、ナタネから抽出した油分に加えて、大豆、ひまわり、とうもろこしなど複数の油分が含まれています。複数の植物を使う理由はある程度お察し頂きたい面がありますが、コストが安く製造出来るからです。そのためスーパーに並ぶサラダ油はとても安価に手に入れることが出来ます。そして、メーカーがお菓子の製造に使う油と一般的なスーパーに並ぶ油の品質を比べたとき、お菓子を安く大量生産するために使う油は出来る限りコストを押さえたいというのは自然な流れですので、白砂糖の件に加えて油の品質を考慮すると一般的なお菓子を口にすることがボディメイクやダイエットにははばかられる面があるのがイメージできますでしょうか。市販の油分に対してはこのあたりまでの言及としておきますが、身体に優しくより必要な油を摂取することは必要であるということです。反対に、不要な油分はエネルギー効率が良いため、摂取してすぐに身体を動かすことが出来ますが(疲れた時に油っぽいものが食べたくなるのはエネルギーになりやすいため)脂肪細胞とも結びつきやすいために、使われなかったエネルギーは脂肪として蓄積されやすいという面があります。これら複雑に見えるかもしれませんが、現実的な美への落とし所としては、食品に含まれる油分である程度の脂質は摂取しておき、直接的な調理油の摂取は控えておくと、良質で必要な油を摂取することが出来そうです。また、可能であれば家庭用で使う調理油においても、サラダ油を使うのでなく、料理の内容によってExvオリーブオイルやごま油などを使うと良いでしょう。市場の油事情について少しだけ触れておくと、安価なオリーブオイルにはサラダ油が多く含まれていることもあるため、ある一定以上のお値段の油を購入しておくことも大事なポイントです。「結局、サラダ油食べてる」なんて状態は防ぎたいものです。

小麦はどう考えるべきか?

小麦がわたしたちの身体にどう影響するか?本当のところはまだ分かっていない状態です。しかしながら体感として、小麦の摂取を減らすと身体や肌の調子が改善したり、逆に小麦を摂取するとむくみやすくなったり、消化能力が落ちて胃腸が気持ち悪くなったりするものです。代表的なのはグルテンの影響です。「グルテンフリー」に表されるとおり、グルテンを摂取することでアレルギーのような症状が起きるというものです。アレルギーというのは、免疫や抗体の過度な反応による身体への副作用なので、免疫が強く反応してしまう成分があるというのは間違いなさそうです。それでは、グルテンフリーの小麦製品であれば大丈夫なのではないかという議論がありますが、小麦の品種改良に関して人体への悪影響が懸念されています。これに関しては、グルテンよりも研究が進んでいないものなので、まだ定かではないのですが、摂取するのであれば「国産」「加工の少ない」「添加物のない」小麦製品を選んでおくと少し安全性が高いかもしれません。私自身も、国産小麦や全粒粉小麦や、様々な産地の小麦を試して身体の反応をみてみましたが、どれも総じて胃や肌の調子が多少なりと悪くなるので、出来る限り小麦の摂取は避けつつ、身体の調子が特に良い日などに限定して小麦を含む食事をしたり、小麦を含む食事をとってから1週間程度は体内の炎症を抑えるため消化に良い料理を心掛けるなど調整しています。

小麦の影響によって胃腸や内臓の消化力が悪くなると、食物からエネルギーとして取り出される栄養成分が少なくなり、脂肪として蓄積される量が増えてしまいます。全体的なエネルギー摂取の効率が落ちるために脂肪細胞へのエネルギー供給の影響度も若干鈍くなりますが、トータルで見ると消化力の低下は脂肪の蓄積を促してしまいますので、スイーツに含まれる小麦は最低限か何かに置き換えると良いでしょう。

これはとても簡単で、小麦は米粉やきな粉などで置き換えることが出来ます。しかも小麦を使う場合と米粉やきな粉を使う場合で分量を変えなくて良いので分かりやすいです。実際の置き換え例として、ガトーショコラ等の香ばしく味の強いスイーツの場合にはきな粉と相性が良いです。きな粉は若干焦げやすいために、焼成温度を5〜10℃程度下げておくと無難です。小麦の際と同じ温度で行うと焦げ目を付ける際の香ばしさが強く残りすぎて、本来の美味しさよりも焦げ感が強めになります。チーズケーキ等の甘く繊細なスイーツでは、米粉が活躍します。米粉の米の香りは焼成時にほとんど抜けていくので、とても自然に代用することが出来ます。

着色料や保存料の影響

市販のお菓子を食べる最大のデメリットは、着色料、保存料、アミノ酸、ショートニング、ph調整剤などに代表される食品添加物にあるでしょう。これらは、製品を安定的に安全に流通させるために必要不可欠なものですが、人体においてダメージを与えたり依存性をもたらしてしまうものです。それは製造メーカ側も重々承知しており決して悪意あってのものではありませんが、例えば1万個製造したなかでもたった1つでも傷んでいたり、腐ってしまってはいけないものなので、壊れないように変質しないようにと厳重に保存料は添加せざるを得ません。

これは以前の私のブログ「ボディメイクにおける自然食のススメ」でも解説していますが、食品添加物の多くは私たちの身体にダメージを与えながらも、代謝に数週間等と長い月日がかかるために、どんどん体内に蓄積されて体調や精神を疲労させてしまいます。もしも体調やメンタルに不安を感じたときには、本日紹介した、白砂糖、植物油、小麦製品、食品添加物を可能な範囲で避けてみて下さい。2週間程度で明らかな体調の変化を実感できるはずです。そうとは言っても文明の進化した現代において、今さら木の実やバナナなどを採取して食べるわけにもいかないので、ある程度は食品添加物も摂取し上手に付き合いながら生活するものではありますが、コンビニ商品や多くの菓子類にはそれらが多量に使われていることも多いので不用意な摂取は避けていきたいものです。

まとめ

  • 白砂糖はてんさい糖や黒砂糖に置き換える
  • サラダ油はExvオリーブオイルや純ごま油に置き換える
  • 小麦粉は米粉やきな粉に置き換える
  • 成分表示を確認して食品添加物を極力避ける

これらを踏まえてスイーツを食べれば、普段のごはんとほとんど変わらない代謝でスイーツを食べることが出来ます。つまりスイーツだから太りやすいという概念がなくなり、ただのおかず1品追加の延長にあるガトーショコラ1ピースなどと考えることが出来ます。食事全体が適量であれば毎日食べたとしても問題ありません。まとめの4文を加味すると市販のものは、①白砂糖②サラダ油③小麦粉④食品添加物のいずれかまたはすべてを含むために、少し距離をおいた方が良いだろうと思えてきます。

今回はスイーツについての記事ですが、外食が多いと太りやすい理由も同じように考えることができます。特に外食で調理されるされる調理油まで純粋なExvオリーブオイルなどと言っていると、高級店でない限りとても利益は出せなくなるので、外食の油が良いものでないのは仕方のないことでしょう。

すると日々のスイーツ(お菓子)は自分で作るのが、安心であると言えそうです。作るとなると「面倒だ」「買った方がコスパが良い」など思うかもしれませんが、バスクチーズケーキはすべての材料をミキサーに入れて撹拌して型に入れて焼成するだけで出来ますし、ガトーショコラも卵白のメレンゲさえコツを掴めば、あとは材料を全部混ぜて型に入れて焼くだけで20分もあれば完成出来ます。慣れるまでの手間と製作時間はありますが、市販のお菓子を食べてラクにお菓子が食べられる人生と、完璧なプロポーションをゲットした自分の人生とを比べてみると、価値(バリュー)が少し見えて来そうです。何より、安心して美味しくスイーツを食べられるというのは嬉しいものですね。もしもパートナーが器量のあるタイプでしたら健康スイーツ製作にハマってくれると最高ですので、それとなくスイーツ本を買っておくのも良いかもしれません。